□1私の誕生日の日に突然、蜃気楼みたいな空気をまといながらどこからか象が現れた。 □2その象は(多分)招かれてもいないのにパーティーテーブルの前まで来て、おもむろにシュークリームに鼻を伸ばす。リンゴを食べるみたいな手付きで、フワフワトロトロなシ…
□1私は流星群を見に来ていた。星の輝く群青の空は、地上を淡く照らしている。まるで海の中ににいるみたいな気分だ。私達の街は水没してしまったのだ。 □2私がそんな妄想をしていると、誰かがあっと声を上げる。流星群が始まったのだろう。私も空を見上げる。…
□1街灯に照らされた静かな街並み。藍色の空と、濃紺の空気。藍色の街。ここは水没夜の街。そこにはとある魔法使いが暮らしている。彼女はまだ若いけど、それなりの苦労をしてきたもののような、老獪な雰囲気をユラユラと周りに漂わせる。それでいながら目は…
□1月もない真っ暗な夜中。私は暗い部屋でベッドにうつ伏せ、一人読書灯を見ていた。魚の形のオレンジに光る読書灯だ。私は本も開かずにただ、読書灯を見ていた。 □2オレンジの灯りが私の体に張り付いて、後ろに大きな黒い影を作る。影は私の真後ろで大きな怪…
□1今度のパーティーで皆にマジックを披露したいと思って、こっそり練習しようと計画していたら、自然と足が雑貨屋さんに向いていた。 □2雑貨屋さんはまるで宝箱やクラッカーのようで、楽しいものやワクワクするものが詰まっていた。宝石みたいなボタンに、見…
□1水色と白色の毛糸玉を買ってきた。漠然となにか作りたくなったのだ。でも買ったきりなかなかやる気が出なくて、机の上に転がしていたら、ポンポンと床に落としてしまった。急いで拾おうとしたけど、毛糸玉はどんどん遠くに行ってしまう。私が椅子の上でそ…
瘴気の園の奥地 私がそこで寝ていると一人の兵士が現れた 「君は…子供…か?」 私はすぐさに飛びかかり彼の首に噛み付く 彼は無様に悲鳴をあげ私を蹴っ飛ばして逃げた 「私は魔物よ」 私は小さな口と歯でにんまりと笑ってやった 以下『イメージ・シンボル辞典』よ…
瘴気の園の花畑 私の元に一人の王子様が現れた 「私は君に一目惚れしてしまったどうか一緒に来てくれないか?」 「喜んでお受け致しますでも私は動けないからここで一緒にいてもいいよね?」 私は私の蔓で彼を絡めとり土に埋めた 以下『イメージ・シンボル辞典』…
瘴気の園の墓場 私が腐肉を食らっていると 一人の痩せた少年が現れた 「カラス…?人…?」 「私は人だよ?ここには美味しいお肉が沢山あるから一緒に食べよ?」 その後新鮮でよく丸くなった彼を美味しく頂いた 以下『イメージ・シンボル辞典』より引用 『墓場』の…
瘴気の園の湖 私はそこで一人歌っていた ある日一人の旅人が歌に聞き入っていた 彼はこう言う「美しい声だねでも何故こんなところにいるんだい?」 彼は気づいていないようだ私と彼の周囲の地面は水に飲まれ後は彼を飲み込み喰らうだけだということに 以下『イ…
瘴気の園の森 茨に侵食されたその森で私が眠っていると一人の男が奥まで入ってきた 男は傷だらけで言う「なんだ…?死人か?」 彼が近づくなり私は一気に起き上がり掴みかかりそのまま喰らった 以下『イメージ・シンボル辞典』より引用 『森』のシンボルの意味…
暗い部屋 パジャマの少女が呟く 「私、明日、死んでると思うの」それに、体長10cmくらいの小人が答える 「そーですかー」 「そう、私の番は今日でおしまい」 「そうかー...ところで、僕、マリ○カート強くなったですよ?やりません?」 コントローラーの上ではねなが…
暗い部屋少女が訴える 「私、きっと頭のおかしい子なんだわ」 小人が答える 「キャラ立ちしてますな」「しすぎるとダメなのよ現実では、そういうのはころされるの」「現実さん、心狭いなー」
暗い部屋 少女が訴える 「私って、本当にいる必要あるのかしら?」小人が答える「世界に一輪の花?」「でも、それは必要かどうかとは関係ないわ」「でも、あなたいないと、僕、ご飯もらえぬが?」「...ヒモ?」
暗い部屋 少女が訴える 「私なんて、早くいなくなればいいのに!」 小人が言う 「ぶちギレ?」「そうよ!ぶちギレよ!悪い!?」「僕のえさ箱だけは、見逃してほしーですなー」
暗い部屋 少女は悪夢を見て、飛び起きた 「...」「~※?...どうかしたですか?」 小人も起きる少女は黙って小人を掴む 「あーれー」 そのまま、小人はベッドに連れ込まれて、一緒に眠ってしまった
暗い部屋 少女は布団の中で震えていた 「...今日、久しぶりに家族でご飯食べて、テレビのニュースみたのよ」 小人は答える 「夢の押し売り、大歓迎?」「そしたら、人がいっぱい、し...」「沢山おなくなった?」「皆、なんであんなもの見れるのかしら...」「僕らより、…
暗い部屋 少女は泣いていた 「なにか、かなしーですか?」 小人が聞く 「...なんでもないけど...心が空っぽになったみたい...悲しい...」 「そうかーそういう時は、泣くのが1番ですなー」 「そうなの?」 「...さあ?」
暗い部屋 少女はうめく 「私以外にも、人間は沢山いるわあなたもこんなどうしようもない私じゃなくほかの人のところへ行けば?」 小人は答える 「ぼく、多分あなたにしか、大事にされぬですよ」
暗い部屋 少女は言う 「なんで私、ここにいるのかしら?」 小人は答える 「道に迷ったですか?」 「迷ってなかったことなんてないわよ何年も同じ部屋にいるのにいつでも迷っているわ」 「大冒険ですな!」
暗い部屋 少女は叫ぶ 「みんなみんな、大馬鹿者だわ!お父さんも!お母さんも!...私も!」 小人は言う 「僕も、仲間に入れます?」
暗い部屋 少女はつぶやく 「...なにもしたくなーい...」 小人は言う 「僕、いつも何もしてないですよ?もしかして僕が先輩です?」 「...普通、なにかしてないと、はいじんになっちゃうから、皆なにかするんだよ」 「じゃあ僕、もしかしてはいじんでしたか?」「...な…
暗い部屋 少女はゲームをしていた小人は目を擦りながら、布団から這いずる 「なにやってるですか~?」 「ゲーム」 「眠くないですか?」 「眠くない」 「...一緒にやります?」 「いや、いい」 それから小人は、布団に戻って眠った
暗い部屋 少女と小人は、少女の布団を被っていた 「ここ...落ち着く...」 小人も感心して、言う 「ほんとですなー」 「あったかいね」 「なんだか、うまれる前、思い出しますなー」 「...そうかも」 それから、いつのまにか眠っていた
暗い部屋 少女は言う 「私...生きるのつらいよでも、しぬのはこわい...どうしたらいいのかな?」 小人は、少し迷って、言う 「そういうときは、スイーツがあると、幸せになれますか?」 「...能天気...」
暗い部屋 少女はゲームをしながら、話す 「こういうのって、作るのたのしそうだよね」 小人も同意する 「たのしそーですなー」 「私もこういうことしたいでも、パティシエもいいなぁ...」 「お菓子、たべほーだい」 「喫茶店の店長とか、憧れる」 「ティーカップのプー…
暗い部屋 少女は、ライトに照らされた自分の大きな影を見て、小人に言う 「見て!怪物よ!」 小人は、あたふたしながら、部屋を逃げまわる 「かいぶつ!僕、食べても美味しくないですよ!」 「あはは...ごめん...ごめんね?嘘だよ。ちょっとした出来心で...」 「...…
暗い部屋少女が言う「私、もっと他に行くところがある気がする」小人は言う「旅ですか?」「そう、それももっと、この世界じゃないような、素敵な、別のところ」「そーですか...でも、たまには、僕に会いに来てくれますか?」「...そうね...」
暗い部屋 少女はカーテンを少しだけ開けて、外を眺めていた小人が声をかける 「明るいですな」 「...うん」 「皆、楽しそうですな」 少女は少し釈然としない顔をした後、かなり後に、それを肯定した 「......うん」
暗い部屋 2人で動画を眺めながら、少女は呟く 「...夢があるって、凄いなぁ...私には無理だなぁ...」 小人は答える 「僕らも、夢、見れますが?」 「眠る時に見るのとは違うのよ」 「でも、目をつぶって、のうみそ動かすと、そこにいつでも、僕らの先が見れます?」