『一瞬小説・超短編小説』なみのり 創作総合

140文字程度の一瞬小説をメインに、短い小説を作ります。 2019/08/17から、本格的に活動しています。

小人と暗い部屋 第20話 『これから先』

暗い部屋 少女は、ぼーっとしていた小人は問う 「どうか、しました?」 「私、これから先、ずっとここから出れないのかな」 「でも、あまり時間経ってないような?」 「経ってるわよ気づいてないだけで」 「でも、こんなの大した時間じゃないです?」 「...そうかなぁ」

小人と暗い部屋 第21話『旅行』

暗い部屋少女は携帯とにらめっこしながら、呟く「...いつか、この国行ってみたい...」小人はそれに答える「おー、綺麗なとこですな」「でも、旅費がすごいみたい」「それでも、いきますか?」「...いつか、いきたいね」それから2人は、長いこと携帯の画面で旅行の計画…

小人と暗い部屋 第22話『暴れる』

暗い部屋少女は叫び、暴れていた 「あぁあぁぁぁあーーー!!!」 小人は言う 「今日は、いつもより、元気ですな?」 そこに、小人めがけて本が飛んできた小人はなんとかかわす 「...ギリ...でしたなー」 そのあとも、1時間ほど、少女は部屋で暴れ続けた

小人と暗い部屋 第23話『眠る』

暗い部屋少女は眠っていた小人は聞く「もー夕方ですよ?」「...う...ん」「お昼寝、マイブームですか?」「......」「じゃあ僕も、ブーム乗るです」それから、小人も寝た

小人と暗い部屋 第24話『外出』

暗い部屋夜中、少女は外出用の服を着ていた小人は聞く「どこか、行くです?」「...ちょっと、そこまで」「なにを、手に入れます?」「...なにかを」「それは、大事なものです?」「...わからない」「とても、危険ですが?」「...そんなの、知ってる」それから少女は、部屋を…

小人と暗い部屋 第25話『外出2』

暗い部屋少女は、部屋に入るなり、泣いた小人は言う「大変なこと、ありました?」「ううん...家からも出てないわ...」「そーでしたか」少女はなんとか泣くのを抑えると、呟く「いつぶりだろ...お母さんたちが、私に向かって怒ったの...」

小人と暗い部屋 第26話『勉強』

暗い部屋少女は勉強していた小人は聞く 「それ、難しそーですな」「ふふ...私の昔使ってた教材だもんこんなの簡単よ」 数時間後、少女は机につっぷした 「どーされました?」 「...脳みそって、おとろえるんだなぁ...」それからも、少女は何度かチャレンジした

小人と暗い部屋 第27話『とある1日』

暗い部屋少女と小人は、2人でテレビを見ていた「ワイドショーは、楽しげですなー」「楽しい...かな?」「ドラマは、ハラハラしますな」「...そう...かも?」「アニメは、やっぱりわくわくしますな?」「...そう...だけど...」テレビだけで、丸一日がすぎた

小人と暗い部屋 第28話『できないこと』

暗い部屋少女は考え込んでいた少女は小人に、おそるおそる言う「...ねえ、私って、何ができると思う...?」小人は言う「可能性的には、なんでも出来るはずです?」「...他の人はそうかもしれないけど、私には出来ないことだらけじゃない?」「でも、この時代、物理…

小人と暗い部屋 第29話『価値』

暗い部屋少女は独り言をいう「...やっぱり、私なんか、価値がないんだよ」小人は言う「フリー?」「そう、フリーよ、無料よ頑張って価値をつけたとして、いじめの生贄とか、会社の捨て駒とか、そんな所よ」「それはそれで、けっこうなレア、なのでは?」「...うるさい…

小人と暗い部屋 第30話『だらだら』

暗い部屋少女はだらだらしていた小人は聞く「やる気、なしですか?」「そーよ...」「とろけてます?」「そーよ...」「充電、切れちゃった?」「そーよ...」それから、2人でずっとだらだらしていた

小人と暗い部屋 第31話 『夢3』

暗い部屋少女はじーっと、携帯の画面を見ていた小人は聞く「何してるです?」「ちょっと...」「どハマり中?」「うん...」「見てもいいです?」「...ダメ。...ぜったい秘密。」

小人と暗い部屋 第32話 『本』

暗い部屋少女は本を読んでいた小人は聞く「その本、マンガですか?」「マンガじゃないお母さんに言ったら買ってきてくれた」「それ、面白いです?」「つまんない」「賢くなりますか?」「...多分...」それから、少女はまた本の世界に入ってしまった「最近、出番ないです?」

小人と暗い部屋 第33話 『頑張る』

暗い部屋少女は勉強していた「...うーん...眠い...だるい...よくわかんない...」小人は言う「眠らなくていいので?」「...うん...でも、もう少し頑張る...」「何の勉強なので?」「秘密だけど...強いて言うなら...夢への?」「それは、1番、頑張りたいものですな」

小人と暗い部屋 第34話 『お疲れ』

暗い部屋少女はベッドの上で、呟く「...もう疲れちゃった...」小人は言う「お疲れモード?」「そう...私、なに叶いもしない夢に、本気になってたんだろ...全部、バカらしくなっちゃった」「でも、楽しかったですか?」「......うん」

小人と暗い部屋 第35話 『元気』

暗い部屋少女は、外着を着ていた小人は言う「似合ってるです」「...ありがと」「今日こそ、ですか?」「ううん今日は外にはでないよ着てみただけ」「元気になりましたな?」「...そう?」「元気な人って、素敵ですからな?」

小人と暗い部屋 第36話 『感謝』

暗い部屋少女は、部屋に戻ってきた「ただいま」小人は聞く「外は、どうでした?」少女は言う「...怖かったけど...少しずつ慣れると思う」「そーですかー」少女は小人を見て、言う「......ありがと」

小人と暗い部屋 第37話 『お別れ』

暗い部屋小人は言う「そろそろ、僕、役目、終わるです」少女は、しばらく硬直する「...え?」「さよならの時間、迫ってるです」「...え?突然どうしたの?」「僕がいなくても、大丈夫なくらい、強くなったですよ?だから、お別れ」「え?そんなの...嫌...」「最後の時間、…

小人と暗い部屋 第38話 『真っ暗な時から』

暗い部屋少女は小人と、一緒に寝ていた「...私たち、いつもこうしてたね...いつから一緒にいたっけ?」「気づいた時には、一緒にいましたが?」「それっていつ?」「1番真っ暗なときから?」それから、カーテンを少し開け、差し込む月光を2人で眺めた

小人と暗い部屋 第39話 『夢4』

暗い部屋少女は小人と月夜を眺めていた小人は言う「夢、諦めることないですよ?」「...でも、私には、無理だよ」「諦めなければ、叶うです?」「そんな事、信じられない」「信じて、行動すれば、あらゆるものが、協力してくれるです」「...そうなの?」「...そんな気がし…

小人と暗い部屋 第40話 『明るい部屋』

明るい部屋 カーテンが開けられ、光が差し込む 「いってきます」 私は勇気を持ってドアを開け、外の世界へ出ていく。 (いってらっしゃいです~)

深層寓話 『不夜城への関所』

不夜城への関所 僕はそこに務めていた僕だって城に入りたいでも僕がここを守ることで仲間達は安息できる ある日1人のカラスが現れた 「一体何をしてるんだ?空から見たが城にはもう誰もいないぜ」 僕は城へ駆けた 人々は仲間に胸を突かれていた 僕はただ立ち尽…

深層寓話 『滅んだ街』

滅んだ街 空から光が灯りこの地の惨状を照らす 瓦礫からはい出たキツネに声をかけられる 「何があったんです?」「多分天の裁きさ」 僕はなんでもなげに言う 「なにを裁かれたんです?」「さあね」僕は分かりたくない出来事は決して考えないそれは裁きなのだそれでい…

深層寓話『鏡の世界』

鏡の世界 僕の目の前に僕の影が訪れてきたその僕の影は顔にゴーグルやら耳にケーブルやらを付けていた 彼はこう言った「あんた俺の影だろう?俺と一緒来ないか?旨い話が転がってんだよ」 僕は嫌になって目の前の鏡を叩き割った 僕はそのままバラバラになった

夢幻童話 『藍色の海』

藍色の海 僕が小舟で釣りをしていると1匹のくじらが掛かった 彼は僕を海に引きずりこみ海底を目指す 海の底は貝殻と真珠で飾られた巨大なバスターミナルだった魚達はくじらの口に乗り込む 太平洋、北海、食卓 僕は魚に押し流されくじらの口に放り込まれた ふ…

深層寓話 『牢獄』

牢獄 僕の牢屋に羽の折れたスズメが投獄された 「私達もうおしまいなのかな...」 僕は彼女を慰めようと死後の世界や転生の物語を語った 僕達は自作の物語も作った牢屋の中で僕らは最後の幸せな時間を過ごした 処刑の日に2つの断末魔と共に1羽のカラスが牢獄を…

深層寓話『地獄の門』

地獄の門 僕は長いこと門番をしている ある時小鹿が現れこう言った 「通してくださいこの先に両親がいるはずなんです」 「僕はここに居るのが仕事で止めるのは仕事じゃない」 僕は何人もを通してきた この門は本当に地獄に通じているのかただのハリボテなのか 僕…

深層寓話 『地底の王国』

地底の王国 僕はそこで何年も蟲を処刑する仕事をしてる 1人の蛾が処刑の前にこう言った 「あなたには罪悪感もないのね何がおかしいかも判断できない哀れね」 処刑後彼女の羽は何も知らない王侯貴族達のマントになった おかしいことが日常にすぎて考えるとおか…

深層寓話 『楽園の外れ』

楽園の外れ そこにある僕の家に蛇が住み着いた 僕は彼を捕まえず、共に暮らした蛇はこう言った「あんた、なにもしないんだな」 その後蛇は意地悪で楽園を蝕んだ だが僕はなにもしなかったどれも僕には関係がなかった 僕も蛇もまだ楽園にいる 無関係だと言い張…

深層寓話 『渓谷の墓場』

渓谷の墓場 私が落ち葉焚きをしていると1人の極彩色の蝶が舞い落ちてきた 「あなた、もう飛べないんですか」 私は谷底へ墜落していく彼女に声をかける 「そうねでもまだ抗うことはできるわ」 彼女は風を掴むとそのまま私の火に飛び込んだ 火の勢いは一瞬だけ増し…