『一瞬小説・超短編小説』なみのり 創作総合

140文字程度の一瞬小説をメインに、短い小説を作ります。 2019/08/17から、本格的に活動しています。

カテゴリー:深層寓話@一瞬小説

深層寓話 『不夜城への関所』

不夜城への関所 僕はそこに務めていた僕だって城に入りたいでも僕がここを守ることで仲間達は安息できる ある日1人のカラスが現れた 「一体何をしてるんだ?空から見たが城にはもう誰もいないぜ」 僕は城へ駆けた 人々は仲間に胸を突かれていた 僕はただ立ち尽…

深層寓話 『滅んだ街』

滅んだ街 空から光が灯りこの地の惨状を照らす 瓦礫からはい出たキツネに声をかけられる 「何があったんです?」「多分天の裁きさ」 僕はなんでもなげに言う 「なにを裁かれたんです?」「さあね」僕は分かりたくない出来事は決して考えないそれは裁きなのだそれでい…

深層寓話『鏡の世界』

鏡の世界 僕の目の前に僕の影が訪れてきたその僕の影は顔にゴーグルやら耳にケーブルやらを付けていた 彼はこう言った「あんた俺の影だろう?俺と一緒来ないか?旨い話が転がってんだよ」 僕は嫌になって目の前の鏡を叩き割った 僕はそのままバラバラになった

深層寓話 『牢獄』

牢獄 僕の牢屋に羽の折れたスズメが投獄された 「私達もうおしまいなのかな...」 僕は彼女を慰めようと死後の世界や転生の物語を語った 僕達は自作の物語も作った牢屋の中で僕らは最後の幸せな時間を過ごした 処刑の日に2つの断末魔と共に1羽のカラスが牢獄を…

深層寓話『地獄の門』

地獄の門 僕は長いこと門番をしている ある時小鹿が現れこう言った 「通してくださいこの先に両親がいるはずなんです」 「僕はここに居るのが仕事で止めるのは仕事じゃない」 僕は何人もを通してきた この門は本当に地獄に通じているのかただのハリボテなのか 僕…

深層寓話 『地底の王国』

地底の王国 僕はそこで何年も蟲を処刑する仕事をしてる 1人の蛾が処刑の前にこう言った 「あなたには罪悪感もないのね何がおかしいかも判断できない哀れね」 処刑後彼女の羽は何も知らない王侯貴族達のマントになった おかしいことが日常にすぎて考えるとおか…

深層寓話 『楽園の外れ』

楽園の外れ そこにある僕の家に蛇が住み着いた 僕は彼を捕まえず、共に暮らした蛇はこう言った「あんた、なにもしないんだな」 その後蛇は意地悪で楽園を蝕んだ だが僕はなにもしなかったどれも僕には関係がなかった 僕も蛇もまだ楽園にいる 無関係だと言い張…

深層寓話 『渓谷の墓場』

渓谷の墓場 私が落ち葉焚きをしていると1人の極彩色の蝶が舞い落ちてきた 「あなた、もう飛べないんですか」 私は谷底へ墜落していく彼女に声をかける 「そうねでもまだ抗うことはできるわ」 彼女は風を掴むとそのまま私の火に飛び込んだ 火の勢いは一瞬だけ増し…

深層寓話 『大嵐の夜』

大嵐の夜 海の方から灯台守が訪ねてきた 僕は鍵をしっかり閉め、彼が入って来れないようにした 「おい、あんたここらの奴らはみんな逃げたよこのまま波に飲まれる気かい?」 僕は黙っていたそして、彼もそのうちどこかへ消えた ずっと望んでいたそれはかくして…

深層寓話 『塔の街』

塔の街 僕の塔の窓枠に、1人の鳩が舞い降りてきた 「こんにちは」「...こんにちは...」 「しばらくここで休ませては貰えませんか?」 僕は曖昧に頷いた と、その時 雷が落ち 今まさにとまろうとしていた鳩に直撃した 僕は直ぐさに窓を閉め、ベッドに潜るだから優し…