『一瞬小説・超短編小説』なみのり 創作総合

140文字程度の一瞬小説をメインに、短い小説を作ります。 2019/08/17から、本格的に活動しています。

超短編小説 No1 『ベッド上の上演』

□1

私はベッドに潜り込む。フワフワな毛布が私を包み込む。窓にはカーテンが閉められて、月明かりも街灯も、隣の家の仲良し家族の温もりも私の所には入ってこない。

 □2

夢うつつの私の頭の中には小人達が何やら準備を始めている。草原に壇が持ち込まれ、それに真っ赤なカーテンが敷かれる。スポットライトが点滅し、沢山の椅子が何処からか用意されていく。

小人達は巨大な一つのテントを作り、入り口でチケットを配りだした。何処からか様々な人が集まってくる。私はそれの一つを貰って、入り口で切り取ってもらった。切り口が魚の形をしていて、地面に魚達の楽園が生まれた。

 □3

私は椅子の中からは特に壇上が見やすいと予想した場所に座り、その後少しだけ「あっちのほうが良かったかな?」と後悔する。その後悔すらもあまいあまいわたあめのようだった。そろそろステージが始まる。次第に観客達の声が静まっていき、明かりがポツポツと消えていく。赤いカーテンにスポットライトが当てられる。さあ、始まりだ!